2026年8月9日日曜日

銀行の「借りられる額」を信じるな!「本当に返せる額」を導き出す安心の予算設計3つのステップ 【不動産購入コラム001】 

 



マイホーム購入を検討する際、最も多くの方が突き当たる壁が「自分たちは一体いくらの家を買っていいのか?」という予算設定の疑問です。
インターネットで検索すると「年収の57倍」といった目安がよく出てきますが、2026年現在の「金利のある世界」において、この大雑把な基準だけで予算を決めるのは非常に危険です。
金利上昇リスクや、物価高による生活費の高騰を織り込んだ「本当に破綻しない予算の決め方」を、分かりやすい3ステップで解説します。

予算決決定時の最大の罠:「借りられる額 」「返せる額」

 
多くの人がやってしまいがちなのが、銀行の事前審査やシミュレーション機能で表示された「融資限度額(目一杯借りられる額)」をベースに予算を組んでしまうことです。

金融機関は「年収に対する返済比率(一般的に30%35%程度)」を機械的に計算して上限を決めますが、これは「あなたが毎月いくらで生活し、いくら貯金したいか」までは考慮してくれません。

 ・借りられる額: 金融機関がシステム的に融資できる「上限額」
 ・返せる額: 日々の暮らしや教育費、老後資金を犠牲にしない「適正額」

予算を決める際は、必ず後者の「返せる額」から逆算する必要があります。


ステップ1:毎月の「適正返済額」を算出する

まずは、毎月「住宅ローン返済に充てても生活が苦しくならない金額」を割り出します。以下の簡易的な計算例です。
 
 適正返済額現在の賃料 + 毎月の住宅購入向け貯金額 - 維持費 
      ※維持費は修繕費用の積立・固定資産税等

💡 ポイント: 分譲マンションでも一戸建てでも、将来の修繕費や毎年かかる固定資産税のために、毎月23万円程度はローン返済とは別枠で積み立てておく必要があります。そのため、現在の住居費をそのまま全額ローン返済に回すのは避けましょう。


 ステップ2:「返済比率」で安全性をチェックする

ステップ1で算出した毎月の返済額が、客観的に見ても安全なラインに収まっているかを「手取り月収」をベースに検証します。
額面の年収ではなく、実際に口座に振り込まれる「手取り額(手取り年収・月収)」で考えるのが、これからの金利上昇局面における鉄則です。

理想的な返済比率(手取りベース): 20%25%以内
例:手取り月収 50万円の場合 毎月の返済額は 10万〜12.5万円 が理想的

限界ライン(手取りベース): 30%
例:手取り月収 50万円の場合 毎月の返済額が 15万円。子供の教育費がピークを迎える時期や、金利が上昇した際に家計がかなり圧迫されるリスクがあります。

💡 ポイント: 車のローン、奨学金、カードローンの返済がある場合は、それらも年間返済額に合算して計算します。


ステップ3:現在の金利から「購入予算」を逆算する

毎月の適正返済額(例:毎月10万円)が決まったら、それを元に「いくら借りられるか」を逆算します。
2026年現在は金利の変動リスクがあるため、シミュレーションを行う際は、現在の実効金利(変動金利 1.0%前後など)ではなく、少し高めの「1.5%2.5%(審査金利や将来の上昇を想定した利率)」で厳しめに試算しておくことを強くおすすめします。
 

【早見表】毎月の返済額から逆算する借入可能額(35年返済・元利均等)

もし金利上昇リスクを安全に見積もり、毎月10万円返済で金利2.5%と想定した場合、借入上限は「約2,800万円」となります。
 

最終ステップ:「自己資金(頭金・諸費用)」を足して総予算を決定

借入可能額が決まったら、手持ちの「自己資金」を組み合わせて、最終的な物件の購入予算を決定します。

  物件購入予算 = 借入可能額 + 頭金 - 諸費用

  • 諸費用の目安: 新築なら物件価格の3%5%、中古なら7%10%(手数料や税金など)が目安として現金で必要になります。
  • 手元に残す生活防衛資金: 貯金をすべて頭金に回すのは厳禁です。最低でも「生活費の半年分」+「数年以内に使う予定のあるお金(教育費や車の買い替え等)」は手元に残しておきましょう。

まとめ:これからの時代の予算決めチェックリスト

 給与の「額面」ではなく「手取り」の25%以内を目指す

金利上昇を想定し、高めの金利でシミュレーションを行う

返済額とは別に、維持費として月23万円の余力を持つ

万が一のため、「生活防衛資金」を手元に残す


家を買うことはゴールではなく、そこから新しい生活が始まるスタートです。
数十年後に「この家を買って本当によかった」と思えるよう、家計に一本筋の通った安全な予算設計を行ってください。



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